これまで多くの臨床研究は、医療機関に通院・入院中の患者様をリクルートすることによって行ってきました。しかしこの方法だと、大学病院などの医療機関の患者様にリクルートすることが集中してしまい、精神疾患の全体を適切に代表しているとはいえません( = サンプリングバイアスが生じている)。そこで私たちは、多施設で患者様のリクルートを呼びかけるため、精神疾患研究レジストリを構築し、精神疾患研究を推進することを目指します。
小池研究室では、東京大学倫理委員会の承認をうけ、レジストリの構築を準備しています(令和元年10月運用開始予定)。
精神疾患研究レジストリの概要
研究参加者(患者様)の実体験
- 東京大学より協力医療機関にパンフレットや説明文書・同意書等を送付する。
- 募集パンフレットを外来等でみて、同意書を添付文書で記載するか、スマートフォン等で同項目をクリックし、基本情報を登録する(研究説明文書はこちら)。
- 登録された情報に基づいて、主治医もレジストリに情報提供を行う。
- レジストリ情報は、研究を実施する共同研究者(東京大学を含む)によって閲覧され、研究参加者の候補を選択する。
- 必要最低限の個人情報が協力研究機関に移され、研究参加者は協力研究機関より連絡を受け、研究に協力する。個別の研究協力については、ここでお断りしていただいても、この先の過程でも、いつでも取りやめることができます。
- 協力研究機関は研究を実施した情報をレジストリに登録し、重複するデータが取得されないようにする。
- 研究参加者および協力医療機関の主治医は、レジストリ登録後、1年おき(最大5年間、6回、所要時間1回5分)に調査を受ける。
本レジストリの協力研究機関と研究内容リスト
- 慶応義塾大学病院(TMS脳波、PET研究)
- 東京都医学総合研究所/東京都立松沢病院(血中成分研究、遺伝子研究)