コホート研究

東京ティーンコホート (Tokyo TEEN Cohort, TTC)

東京ティーンコホート (Tokyo TEEN Cohort, TTC) は、思春期における心身の発達に注目して、東京都の3自治体との協力のもと実施している思春期コホートです。2012年9月に9,10歳のお子さんとその保護者様を対象に調査を開始し、2019年現在、約3,000組の方を対象に第四期調査(16歳時点)が継続中です。世界各国のコホート研究者と積極的な意見交換を交わしたうえで計画された質の高いコホート調査であり、特に、思春期の心身の発達と最新のMRI, ホルモン解析技術を組み合わせた研究に注目が集まっています。

pn-TTC (Population Neuroscience in TTC)とは、コホートメンバーの中から、MRI計測施設にお越しいただける方を約450組を募集し、脳MRIやだ液中の性ホルモンなどのバイオサンプルを計測させていただき、思春期の脳発達に特に注目して研究をすすめています。2020年現在、第三期調査(15歳時点)を継続しており、2020年9月より第四期(17歳時点)を開始する予定です。

英国出生コホート

コホートの中で、特に対象者が出生してから10年、20年と長期に追跡して、様々なイベントの因果関係を見る研究手法を出生コホート研究といいます。

英国は第二次世界大戦後よりコホート研究に力を入れており、その規模と計画性は先進諸国でも群を抜いています。特に、1946年、1958年、1970年、2000年に始まった全国出生コホート研究からは、様々な疫学知見が見いだされ、政策に生かされています。また、1991年に始まったALSPAC研究は、妊娠期の母体血液、胎盤からサンプルを開始した世界初の本格的なバイオバンクを持つ出生コホート研究です。こうしたデータの多くは、国家資産として研究者にオープンにされており、世界各国からアクセスすることが可能になっています。本研究室では、こうしたデータも有効に用い、科学的研究のみならず日英国際比較に用いることを目指しています。

参考資料
主な共同研究機関

認知機能特徴からみる精神疾患・精神症状の連続性

コホート研究と脳画像研究との連続性について、統合失調症の認知機能特徴を例に挙げて説明します。

統合失調症およびリスク群の臨床研究については、精神疾患の病態解明で解説しましたが、幻覚や妄想を経験したことがあることを質問紙で回答してもらうと、思春期の6人に1人が、「体験したことがある」と答えます。こうした人のほとんどは治療が必要のない人たちですが、ここに疾患と症状との連続性があるのか、検討しました。統合失調症およびリスク群の人は、認知機能の中で特に言語機能が比較的低下していることが分かっています。この特徴を、1946年に出生した5300人を長期追跡している出生コホート研究のデータで検証しました。その結果、思春期に言語機能の遅れが認められる人は、成人になって幻覚・妄想を体験しやすくなる一方、思春期に非言語機能の遅れが認められる人は、成人になってうつ症状を体験しやすくなることが分かりました。

今後は、精神疾患から精神症状までの連続性を意識して、病態解明の一助となる研究を推進していきたいと考えています。

精神疾患研究レジストリ

タイトルとURLをコピーしました